家庭血圧の正しい測り方
「正しく測る」ことが、治療の第一歩です
「健診で血圧が高めと言われた」「お薬は飲んでいるけれど、ちゃんと効いているのかな?」――そんなとき、いちばん頼りになるのが、ご自宅で測る血圧(家庭血圧)です。
2025年に高血圧の治療ガイドラインが約6年ぶりに改訂され、家庭血圧は「あれば参考になるもの」から、治療方針を決めるうえでの中心的な情報へと位置づけが大きく変わりました。診察室では緊張で血圧が上がってしまう方が多く、ふだんの本当の血圧を映すのは、リラックスしたご自宅での値だからです。
ただし、家庭血圧は測り方によって数値が大きく変わってしまうという落とし穴があります。せっかく測るなら、正しい方法で。ポイントを順番にご説明します。
血圧計は「上腕(腕)で測るタイプ」を
家庭用の血圧計には、腕に巻くタイプ(上腕式)と手首に巻くタイプがあります。日々の記録には、上腕式をおすすめします。手首式は手軽ですが、測る位置や姿勢で誤差が出やすいためです。
- 自動でカフ(帯)がふくらむ上腕式を選びましょう
- 数年に一度は買い替え・点検を。古い機器は精度が落ちることがあります
測るタイミングは「朝」と「晩」の1日2回
ガイドラインでは、朝と晩の2回測ることがすすめられています。特に朝の血圧は、脳卒中や心筋梗塞のリスクと関わりが深く、近年とても重視されています。
- 起きてから1時間以内に
- トイレを済ませてから(我慢していると高く出ます)
- お薬を飲む前・朝食の前に
- イスに座って1〜2分ほど安静にしてから
- 寝る前に
- 入浴・飲酒・食事の直後は避けてください
- イスに座って1〜2分ほど安静にしてから
正しい姿勢で測りましょう
同じ人でも、姿勢ひとつで10〜20mmHgも変わることがあります。次の点を意識してください。
- イスに座り、背もたれに軽く寄りかかる
- 足は組まず、両足の裏を床につける
- カフを巻いた腕は、心臓と同じ高さにする(机に腕を置くとちょうど良い高さです)
- 服の上からではなく、素肌か薄手の生地の上から巻く
- 測っている間は、しゃべらず、リラックスして
1回の機会に2回測り、両方を記録
1回だけだと、たまたま高い・低い値だったということがあります。1機会につき2回測り、両方の数値を記録しておきましょう。日々の平均を見ることで、ご自分の血圧の「クセ」が見えてきます。
記録は、血圧手帳でも、スマートフォンのアプリでもかまいません。続けることがいちばん大切です。診察のときにお持ちいただくと、お薬の調整にとても役立ちます。
数値の目安(2025年ガイドライン)
2025年の改訂では、年齢や持病にかかわらず、原則として同じ目標値を目指すことになりました。ただし、めまい・ふらつきがある方や、ご高齢で体力が低下している方などは、無理のない範囲で目標をゆるやかに調整します。自己判断でお薬を減らしたり中止したりせず、必ずご相談ください。
こんなときはご相談を
- 家庭血圧の平均が135 / 85 mmHgを超える日が続くとき
- 朝の血圧が特に高いとき
- お薬の飲み忘れや、めまい・むくみ・咳などの気になる症状があるとき
高血圧は、しっかり管理すれば脳卒中や心臓病を防げる病気です。
合言葉は
測る・続ける・相談する
まずはご自宅で、正しく測ることから始めてみましょう。気になることがあれば、いつでも当院にご相談ください。
藤井内科医院
