ぐっすり眠れていますか? ― いびき・日中の眠気と「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」のおはなし

― ねむりの健康コラム ―

ぐっすり眠れて
いますか?

― 睡眠時無呼吸症候群(SAS)のおはなし ―

「ちゃんと寝ているはずなのに、昼間どうしても眠くなってしまう」

「家族から、いびきがすごい・ときどき息が止まってるよ、と言われた」

…そんなこと、ありませんか? じつはそれ、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という、けっこう身近な病気のサインかもしれません。肩の力を抜いて、お話ししてみますね。

いびき:睡眠中にいびきをかいている男性のイラスト

睡眠時無呼吸症候群(SAS)って、どんな病気?

眠っているあいだに、のど(空気の通り道)が狭くなったりふさがったりして、呼吸が何度も止まったり、浅くなったりしてしまう病気です。ときには10秒以上、呼吸が止まることもあります。

呼吸が止まるたびに体は酸素が足りなくなり、脳が「起きて!」とちょっとだけ目を覚まします。ご本人は気づかなくても、ひと晩じゅう眠りが細切れになるので、たっぷり寝たつもりでも疲れが取れない――そんなことが起こります。決して特別な人の病気ではなく、思っているよりずっと多くの方にみられます。

無呼吸:睡眠中に呼吸が10秒以上止まる様子と気道の図

こんなこと、心当たりはありませんか?

大きないびきをかく(家族によく言われる)
「寝てるとき息が止まってたよ」と指摘されたことがある
昼間、会議中や運転中などにふっと強い眠気がくる
朝起きたとき、頭が重くてスッキリしない
夜中に何度も目が覚める、トイレに起きる

特に 昼間の強い眠気理由のわからない疲れ が続いている方は、一度ちょっと気にかけてみてくださいね。

倦怠感:十分眠っても体がだるい男性のイラスト
日中の眠気:仕事中にうとうとしてしまう男性のイラスト

どんな人がなりやすいの?

ぽっちゃり気味・肥満の方……いちばん大きな要因。首まわりにお肉がつくと、空気の通り道が狭くなりやすいんです
男性の方(女性より数倍多いとされます。ただ、女性も閉経後は増えてきます)
中高年の方
首が太め、あごが小さめ・引っ込みぎみ、扁桃が大きめの方
鼻づまりがある/ご家族にいびきの強い人がいる/タバコを吸う方 など

「やせているから大丈夫」とは言いきれず、あごの形など、体型以外が関係していることもあります。

どうして、放っておかないほうがいいの?

SASでいちばん気にかけていただきたいのは、じつは昼間の眠気そのものよりも、心臓や血管への負担なんです。呼吸が止まるたびの「酸素不足」と「ちょっとした緊張」が毎晩つづくと、じわじわと体に効いてきます。

🫀 こんな病気とつながっています
高血圧(なかなか下がらない高血圧の裏に隠れていることも)
不整脈(とくに心房細動)
狭心症・心筋梗塞などの心臓の病気
脳卒中
糖尿病・脂質異常症

つまりSASは、ただの「いびきの問題」ではなく、心臓や血管、生活習慣病とも深くつながった、体ぜんたいの問題。昼間の強い眠気は、居眠り運転など思わぬ事故にもつながりかねません。

ちょっとこわい話もしてしまいましたが、大丈夫。きちんと見つけて手当てをすれば、しっかり良くなっていく病気です。 🌿

どうやって調べるの?

「検査」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、ご安心ください。思っているほど大変ではありません。

おうちでできる検査

ご自宅で眠っているあいだに、指や鼻に小さなセンサーをつけて、呼吸や酸素の状態を測ります。いつもどおりお家で眠るだけなので負担が少なく、まず最初の検査としてよく選ばれています。

くわしく調べる検査

もっと詳しく見る必要があるときは、より精密な検査を行うこともあります。検査では、1時間あたりに呼吸が止まったり浅くなったりする回数を測り、「軽症・中等症・重症」を判断します。

簡易アプノ検査:自宅で指や鼻にセンサーをつけて眠る様子

治療について

SASは、診断がつけば治療でしっかり良くなることが期待できる病気です。

CPAP(シーパップ)療法

中等症〜重症の方に、いちばん効果的とされている治療です。寝るときに専用のマスクをつけて、機械でやさしく空気を送りこみ、のどがふさがらないように支えます。多くの方で呼吸の乱れが落ち着き、いびきや昼間の眠気がやわらぎ、血圧が下がることも期待できます。最初は慣れるまで少し戸惑う方もいますが、そこは一緒にゆっくり慣れていきましょう。

CPAP:マスクをつけて安らかに眠る男性とベッドサイドの機器

そのほかの方法

減量:体重を少し減らすだけでも良くなることがあります
マウスピース:軽症の方や、CPAPが合わない方の選択肢に
横向きで寝る工夫(あおむけを避ける)
適度な運動

おうちでできる、ちょっとした工夫

自分に合った体重を目指す
寝る前のお酒は控えめに(のどの筋肉がゆるんで、いびきが悪化しやすくなります)
横向きで寝てみる
鼻づまりがあれば、早めにケアを
🌼 気になったら、気軽に声をかけてくださいね

「いびきくらい、大したことない」と思われがちですが、その奥に高血圧や心臓の負担が隠れていることもあります。

昼間の眠気や疲れがずっと続いている
家族にいびきや無呼吸を指摘された
高血圧や不整脈を指摘されている

そんなお心当たりのある方は、どうぞ一度ご相談ください。おうちでできる検査から、気軽にはじめられます。ぐっすり眠れる毎日は、心臓や血管の健康にも、そして昼間の元気にもつながります。

※この記事は、一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。症状や治療には個人差がありますので、気になることは診察のときにお気軽にお尋ねくださいね。

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