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期外収縮」は心配?健診で指摘された方へ

「期外収縮」は心配?健診で指摘された方へ

― 原因・症状・受診の目安 ―

健康診断や人間ドックの心電図で「期外収縮」と書かれていると、心臓の病気では?と不安になりますよね。けれど、期外収縮は健康な人にもとてもよく見られる、ありふれた不整脈です。多くは心配のいらないものですが、なかには詳しい検査をおすすめしたほうがよいタイプもあります。この記事では、期外収縮とは何か、どんなときに受診したほうがよいかを、わかりやすく整理しました。

期外収縮は見つかってよかった、あわてなくて大丈夫

期外収縮ってどんなもの?

心臓は本来、一定のリズムで規則正しく拍動しています。期外収縮は、その予定よりも少し早いタイミングで心臓が“余分な一拍”を打ってしまう現象です。脈が「飛ぶ」「つまずく」「ドクンと強く打つ」と感じるのは、この余分な一拍と、その後に続く少し長い休みのためです。

期外収縮は、余分な一拍がどこから生まれるかによって、大きく2種類に分けられます。

  • 上室性期外収縮(PAC):心臓の上の部屋(心房)から生じるもの
  • 心室性期外収縮(PVC):心臓の下の部屋(心室)から生じるもの

実は、とてもありふれたものです

期外収縮は、心臓に病気のない健康な人でも日常的に見られます。年齢を重ねるほど増える傾向があり、ほとんどの場合、それ自体がただちに体に害を及ぼすものではありません。健診で初めて指摘されて驚く方も多いのですが、「見つかった=病気」ではない、という点をまず知っておいてください。

どうして起こるの?

はっきりした原因が見つからないことも多いのですが、次のような要因が引き金になることがあります。

  • カフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)の摂りすぎ
  • アルコール
  • 喫煙
  • 睡眠不足・疲労
  • ストレスや緊張
  • 加齢
  • 甲状腺の異常や、血液中のミネラル(電解質)バランスの乱れ
  • 心臓そのものの病気(心筋症、心臓の血管の病気など)

このうち生活習慣に関わるものは、見直すことで期外収縮が減ることもあります。

生活習慣の見直し(コーヒー・お酒・たばこ・睡眠・運動)

どんな症状が出ますか?

最も多いのは「動悸(脈が飛ぶ・ドキッとする)」ですが、まったく症状がなく、健診で偶然見つかる方もとても多くいます。そのほか、軽いめまい、息切れ、疲れやすさを感じることもあります。

次のような症状があるときは、念のため早めにご相談ください。

  • 失神した、または気が遠くなった
  • 動悸が長く続く、または脈が大きく乱れる
  • 強い息切れや胸の痛みを伴う
  • 若くして突然亡くなった血縁者がいる
動悸を感じている人(胸に手を当てる)

健診の心電図だけではわからないこと

健診で記録する心電図は、ほんの数十秒間の“スナップショット”です。そのため、たまたまその瞬間に期外収縮が写っただけのこともあれば、逆に、ふだんは多く出ていても写らないこともあります。「1日のうちにどのくらいの頻度で出ているか」は、健診の心電図1枚だけでは判断できません。

そこで役立つのが、小型の機器を身につけて1日(24時間)の心電図を連続記録するホルター心電図です。期外収縮が1日に何回くらい出ているのか(全体の何%にあたるか)を知ることが、その後の方針を決めるうえでとても大切になります。

ホルター心電図を装着した患者さんと医師

「心配のいらないタイプ」とは

最も大切なのは、心臓そのものに構造的な病気があるかどうかです。検査で心臓に病気がないと確認できた期外収縮は、一般的に経過は良好で、命に関わるものではないことがわかっています。一方、心臓に病気がある場合は、その病気のほうが重要になりますので、しっかり評価していきます。

治療は必要ですか?

多くの場合、特別な治療は必要なく、経過を見るだけで十分です。症状がつらいときや頻度が多いときには、次のような選択肢があります。

  • 生活習慣の見直し:カフェイン・アルコール・喫煙を控える、睡眠をとる、ストレスを減らす
  • お薬:β遮断薬などで動悸の症状をやわらげます。必要に応じて、別の不整脈の薬を使うこともあります。
  • カテーテルアブレーション:お薬で十分でない場合や、頻度が非常に多く心臓への負担が心配な場合に検討する根本的な治療法です(専門施設で行います)。

「頻度が多い」と言われたら

期外収縮が非常に多い状態が長く続くと、まれに心臓のポンプの力が低下することがあります(期外収縮誘発性心筋症)。ただし、これは期外収縮を減らす治療によって改善が期待できる、元に戻りうる変化です。だからこそ、頻度の多い方では定期的なフォローが役立ちます。

また、心房から出る期外収縮(PAC)が非常に多い場合は、将来の心房細動や脳卒中との関連が指摘されています。「頻度が多い」と言われた方は、自己判断で放置せず、定期的に確認していきましょう。

よくあるご質問

Q. 運動はしてもいいですか?

A. 心臓に病気がなければ、基本的に通常どおりの運動で問題ありません。ただし、運動中の強い動悸・失神・胸の痛みがある場合は、運動を続ける前にご相談ください。

Q. 放っておいても大丈夫?

A. 多くは心配いりませんが、「どのくらいの頻度か」「心臓に病気がないか」を一度確認しておくと安心です。健診で初めて指摘された方は、一度ご相談ください。

Q. コーヒーやお酒はやめないとダメ?

A. 完全にやめる必要はありませんが、摂りすぎると期外収縮が増えることがあります。症状が気になる方は、量を控えてみる価値があります。

まとめ

  • 期外収縮は、健康な人にもよくある、ありふれた不整脈です。
  • 健診の心電図は一瞬の記録なので、頻度の評価にはホルター心電図が役立ちます。
  • 心臓に病気がなければ、多くは心配のいらないタイプです。
  • 失神・強い息切れ・胸の痛み・突然死の家族歴がある場合は、早めの受診を。
  • 気になる症状や「頻度が多い」と言われた方は、一度ご相談ください。

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の診断・治療に代わるものではありません。健診結果や症状について気になる点があれば、お気軽に当院までご相談ください。