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【2026年・浜松で流行中】子どもの3大夏風邪 ― 手足口病・ヘルパンギーナ・プール熱の見分け方と受診の目安

夏に流行る「3大夏風邪」
― ヘルパンギーナ・手足口病・咽頭結膜熱

夏風邪で発熱し、家庭で看病を受ける子ども

「急に高い熱が出た」「口の中が痛くて食べられない」「目が赤い」――夏になると、お子さんのこんな症状で心配になる方が増えます。冬のかぜとちがい、暑い季節に流行する感染症は、まとめて「夏風邪(なつかぜ)」と呼ばれます。その代表格が、ヘルパンギーナ・手足口病(てあしくちびょう)・咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)の3つ。いずれも例年6〜8月ごろに小さなお子さんを中心に流行します。今回は、この3つの見分け方と、おうちでのケア・受診の目安をまとめました。

夏風邪って、ふつうのかぜと何がちがうの?

冬のかぜの多くはインフルエンザウイルスやコロナウイルスなどが原因ですが、夏風邪は主にエンテロウイルスやアデノウイルスといった、暑さや湿気に強いウイルスが原因です。のどや腸で増えやすく、せき・くしゃみ(飛沫感染)や、便に触れた手を介して(接触感染)人にうつります。抗菌薬(こうきんやく:細菌をやっつける薬)は効かず、多くは特効薬がなく自然に治るのが特徴です。

3つの夏風邪、それぞれの特徴

① ヘルパンギーナ ― 高熱とのどの奥の水ぶくれ

のどの痛みで飲み物やゼリーを口にする子ども

主にコクサッキーウイルスA群が原因です。突然の高熱(38〜40℃)に続いて、のどの奥に小さな水ぶくれ(水疱)や口内炎ができ、痛みで食欲が落ちます。熱は2〜3日で下がることが多く、水ぶくれも数日で治ります。のどの痛みで水分をとれなくなり、脱水になりやすい点に注意が必要です。

② 手足口病 ― 手のひら・足の裏・口に発疹

手のひら・足の裏・口の中に発疹が出た子ども

コクサッキーウイルスA6・A16型やエンテロウイルス71型などが原因です。名前のとおり、手のひら・足の裏・口の中に、赤い発疹や小さな水ぶくれができます。おしりやひざに出ることもあります。熱は出ないか、出ても軽いことが多く、多くは3〜7日で自然に回復します。近年主流の「A6型」では、発疹が広い範囲に出たり、治って1〜2か月ほどたってから爪がはがれる(一時的なもので自然に生えかわります)ことがあります。

③ 咽頭結膜熱(プール熱)― 熱・のど・目の3点セット

高熱・のどの痛み・目の充血がある子ども

アデノウイルスが原因で、プールを介してうつることがあることから「プール熱」とも呼ばれます。39℃前後の高熱・のどの痛み・目の充血(結膜炎)の3つが主な症状で、高熱が3〜5日と比較的長く続くのが特徴です。目やにや、首のリンパ節の腫れをともなうこともあります。

2026年、浜松の流行状況 ― 手足口病が「警報レベル」

この夏、浜松市では手足口病が急増し、「警報」が出ています。浜松市感染症情報センターの週報によると、1つの定点医療機関あたりの手足口病の患者数は、第25週(6月中旬)の6.06人から、第26週9.82人、第27週(6月29日〜7月5日)には13.35人へと一気に増えました。警報の基準(5人)を大きく超え、静岡県全体でも9.43人と警報レベルが続いています。

ヘルパンギーナも増加傾向で、浜松市の定点あたり報告数は0.88人(第25週)→2.47人(第27週)と上昇中です。一方、咽頭結膜熱(プール熱)は今年は静かで、浜松市0.18人・静岡県0.30人と低い水準にとどまっています。患者さんの中心は1歳前後〜5歳以下の小さなお子さんですが、大人にうつることもあり、家庭内の対策が大切です。

手足口病は原因ウイルスが複数あるため、一度かかっても別の型で再びかかることがあります。これから夏本番にかけて、しばらく注意が必要な状況です。

※流行状況は地域や週によって変わります。最新の数値は「浜松市感染症情報センター」や「静岡県感染症情報センター」の週報で確認できます。

おうちでのケアと、受診の目安

特効薬はないため、水分補給と安静が基本のケアです。のどが痛いときは、しみにくい冷たいもの・のどごしのよいもの(麦茶、経口補水液、ゼリー、プリン、冷ましたおかゆ、アイスなど)を少しずつ。かんきつ類やしょっぱいもの・熱いものはしみるので避けましょう。発熱には、必要に応じて解熱薬(アセトアミノフェン)を使います。

次のようなときは、早めに受診してください。

  • 水分がとれず脱水が心配なとき(半日以上おしっこが出ない、唇や舌が乾く、涙が出ない、ぐったりしている)
  • ようすがいつもとちがうとき(けいれん、意識がぼんやりする、頭を痛がって繰り返し吐く、首をいやがる、呼吸が苦しそう)
  • 高熱が4日以上続くとき(手足口病でまれに髄膜炎・脳炎などを、咽頭結膜熱で高熱が長引くことがあります)

手足口病やヘルパンギーナはまれに髄膜炎などを合併することがあり、特にエンテロウイルス71型は中枢神経の合併症に注意が必要とされています。数は多くありませんが、上のサインが出たら受診の目安にしてください。

保育園・学校はいつから行ける?

登園・登校の目安は感染症によって決まりがあります。

  • ヘルパンギーナ・手足口病:熱が下がって、口やのどの痛みがやわらぎ、いつもどおり食事がとれれば登園・登校の目安になります(全身状態で判断します)。
  • 咽頭結膜熱(プール熱):学校保健安全法で、主な症状(発熱・のど・目の症状)が消えてから2日を過ぎるまでは出席停止と定められています。

いずれも、便の中にウイルスは回復後も数週間出続けることがあります。登園・登校を再開したあとも、手洗いとおむつ交換後の手指衛生を続けることが大切です。判断に迷うときは、登園・登校先の指示もご確認ください。

まとめ ― 予防の基本と、当院でできること

夏の台所で一緒に手洗いをする親子

夏風邪の予防にいちばん効くのは、地味ですがこまめな手洗いです。トイレのあと・食事の前・おむつ交換のあとは、せっけんでしっかり洗いましょう。タオルの共用を避け、おもちゃや便座の消毒も有効です。3つとも多くは自然に治りますが、「水分がとれない」「ぐったりする」「高熱が続く」ときは我慢せず受診してください。

当院では、発熱やのどの症状のお子さん・ご家族の診察を行い、脱水の程度や合併症の有無を確認したうえで、症状をやわらげる治療と家庭でのケアのアドバイスを行います。「これは夏風邪?それとも別の病気?」と迷ったときも、どうぞお気軽にご相談ください。

(本記事は、浜松市・静岡県感染症情報センターの週報〈2026年第27週〉、国立健康危機管理研究機構の感染症情報、および学校保健安全法の基準をもとに作成しました。診断・治療は個々の状態により異なります。)